新型コロナウイルスの第3波が、収束する兆しがありません。Go Toもなくなってしまいました。日本は、早ければ年度末にはワクチン接種が始まるそうですが、まだこれからどうなるか、いつ、どのように接種するか私たちにも分かりません。私も、地道に厚労省のホームページを検索しては情報を得ています。
今年は、「コロナから始まりコロナに終わる」一年でした。去年の今頃には、まさかこんなにも新型コロナウイルスが拡大するとは思いませんでしたし、生活様式まで変わることになることに戸惑い、何度も立ち止まり、深く考えさせられました。
医療機関として、まず初めに行ったのが感染対策です。院内の除菌はもちろん、換気や、空気清浄機を置いたり、マスクを配り、パーテーションを立てたり、考えうる出来ることは全てしました。予防接種や受診を控える患者さんもいて、コロナの影響を肌で感じました。そして、いつも、国や医師会からの情報に目を光らせ、国の対応が変われば、こちらの方針も変えていきました。
次に行ったのは、診療スタイルを変えたことです。国が進めるように、オンライン診療を始め、電話診療、発熱外来を始めました。特にオンライン診療は、来院せず薬を処方できるので、とても便利ですが、その反面オンラインでは触診も検査もできず分からないことが多く、オンライン診療の限界も痛感しました。
他にも色々なことをしました。コロナとぜん息の関係について調査したり、隔離室や検査用のパーテーションを作ってみたり、有効な空気清浄機を探したり、コロナに有効だと言われている漢方を飲んでみたり、定期的に院内にあるキットを使って何度もコロナの検査をしたりもしました。(無症状なので自分のお金でやりました。)結果はもちろん陰性だったのですが、結果が出るまでは、毎回緊張しました。感染を恐れて家族と離れて生活していた時期もありました。
この1年、強く思ったのは、「変わり続けること、臨機応変に対応すること」がいかに大切かということです。コロナ禍の中での対策・診察の仕方を考えるのはもちろんのこと、このコロナ禍の中で、今までと同じことをしていては、地域のクリニックとして患者さんを診ていくことはとてもできませんでした。スタッフたちも、「こうしたらいいんじゃないか?」とアイデアをたくさんくれました。
例えば、今回、インフルエンザ接種の専用時間帯を作ることができたのは、スタッフたちのアイデアです。おかげで、去年、一般の診察時間にごった返していた感染症の患者さんとインフルエンザ接種の患者さんを、少しでも分けることができました。まだまだ改善点はありますが、日々振り返り、改善を続けていければと思います。
2020年も、大変お世話になりました。
2020年はもうすぐ終わってしまいますが、新しい2021年を、また新たな気持ちで挑んでいきたいと思います。
<次の記事へ> 日本脳炎ワクチンの供給ストップについて
<前の記事へ> 予防接種の接種間隔が変わります