
先月の中旬から百日咳がはやっています。
百日咳は、その名のとおり、咳が続く病気で、特徴的な咳発作があります。回復までに2,3か月かかることもあります。
大人の場合は、子供に比べて比較的症状が軽いことが多いですが、特にワクチン未接種の乳児は、肺炎、脳症を合併し、重症化することもあります。
生まれたばかりの赤ちゃんは生後2カ月からしか予防接種ができないので、周りの同居家族が予防接種をして感染を防ぐことが大切です。また、妊娠中にお母さまが予防接種をしていただくことで、お母さまの抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、出生後の赤ちゃんを守ることができます。
百日咳の原因は?
百日咳菌という菌が原因で発症します。
感染経路は?
咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。咳エチケット、手洗い、手指消毒で予防に努めましょう。また、予防接種が有効です。
症状は?
百日咳は世界的によく見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、ワクチンの効果が切れる6歳頃から発症が増え、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でないと、乳児期早期から罹患する可能性があり、特にワクチン未接種の早期乳児では重症になり、肺炎、脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。
学校や仕事は休まないといけない?
感染拡大を防止するためにも学校は休まなければなりません。 百日咳は、学校保健安全法において第2種の感染症に定められています。 「特有の咳が消失するまで、又は5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで出席停止」とされています。仕事については会社へ確認していただくとよいです。
ワクチン接種をおすすめする方について
年長の年度のお子さま、妊婦(妊娠27~36週)、新生児の同居の家族、10年以上接種していない方
3種混合ワクチンって?
3種混合ワクチンとは、「ジフテリア・百日咳・破傷風ワクチン」が混合された不活化ワクチンです。最近の研究によると、0~1歳の時に接種した4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)ワクチンの百日咳の抗体が、6歳ぐらいになると下がってくることがわかってきました。日本小児科学会でも、百日咳のために年長の時期に三種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。
百日咳だけじゃない!3種混合ワクチン
また、3種混合ワクチンには破傷風も含まれています。破傷風は、主に傷口に破傷風菌が入り込んで発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
破傷風は1968年から定期接種となったので、50代以上では破傷風のワクチンを受けていません。ワクチン接種により、100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
これを機会に三種混合ワクチンを検討されてはいかがでしょうか。
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