RSワクチン接種を始めました

新年のご挨拶

 現在、RSワクチンは2種類あり、高齢者の方対象のものと、妊婦さん対象のものがあります。妊婦さん対象のものは、2024年6月1日から接種が開始になりました。当院でも7月1日から接種を開始します。

□RSはどんな病気?

 小さな子供や高齢者の方は、RSウイルスなどのウイルス感染がきっかけで、ひどい咳や鼻水のほか、重度の肺炎などが引き起こされることがあります。一般的には「小さなお子さんの病気」として知られていますが、その一方で、高齢者や基礎疾患のある方がかかると、肺炎などを重症化するケースもあります。

 

□年齢を問わず感染を起こすRSウイルス

 RSウイルスは、2歳までにほぼすべての子どもが感染するとされていますが、その後も生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返します。通常、健康な成人はRSウイルスに感染しても軽症で、多くは風邪のような症状で自然に軽快しますが、小さなこどもや、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などの慢性の基礎疾患がある人や、免疫機能が低下している人は、RSウイルスに感染した場合、重度の肺炎などを起こすこともあります。

 

□どんな治療?

RSウイルス感染症に対する効果的な薬はありません。したがって、症状を和らげる対症療法が治療の基本となります。

 

□予防について

生後6か月以内の乳児の場合
RSウイルスは、「飛沫感染」や「接触感染」で感染します。
周囲の人がしっかりと手洗いをしたり、おもちゃや家具などを消毒することが有効です。
60歳以上の方への予防接種
RSウイルスに対するワクチンがあります。特に基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息といった呼吸器の病気、糖尿病、慢性心不全、進行した肝臓や腎臓の病気)のある方への有効性が期待されています。 RSウイルスワクチン(アレックスビー):27,500円(税込み)
妊娠中の方への予防接種(妊娠28~36週での接種推奨)
ワクチン接種をすることで、体内でRSウイルスに対する抗体がつくられ、胎盤を通して赤ちゃんへ移行し、出生後の赤ちゃんをRSウイルス感染から守ることができます。RSウイルスは69%の乳児が1歳までに感染し、重症化すると入院が必要になることもあり、2~5カ月齢で入院のピークがみられます。兄弟から移ることが多く、特に第2子以降の方は接種するを検討してもよいでしょう。RSウイルスワクチン(アブリスボ):33,000円(税込み)

 



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2024年07月01日