「つらい花粉症状について」
目がかゆい、鼻水が止まらない等、つらい花粉症に悩まされる方は多いです。
特に、2月から4月下旬まではスギ花粉が、3月から5月下旬まではヒノキ花粉飛び続けますので2つの花粉症を併発すると、2月から5月下旬までつらい症状に悩まされてしまいます。
ひどい花粉症の症状に悩まされるという方は、一度治療を検討されることをおすすめします。
「花粉症はなぜ起きるか」
花粉症は、花粉を抗原(アレルゲン)とする鼻粘膜と結膜のアレルギー性の病気です。体内に入ってきた花粉を撃退しようと免疫機能が過剰に働くことで起きます。そのため花粉症の症状は、アレルゲンである花粉が体内に入り込みやすい鼻や目に現れます。
「花粉症の対策について」
1.出来るだけ花粉を体内に入れない
花粉症は体内に入った花粉を撃退しようとして起こります。そのため、花粉が体内に入る量を出来るだけ少なくするため日常的にマスクやメガネをすることが効果的です。
2.薬を使ってアレルギーを治す
舌下免疫療法(以下に詳細を記載)は、実際にスギのエキスを毎日投与し、身体を花粉に慣れさせるという治療です。シダキュアという薬を使用します。実際に花粉が飛散する時期ではなく、その前の6月から12月頃までに治療を開始します。治療期間は数年間と長いですが、根本から治療する方法です。
また、花粉症は体調が悪いと症状が悪化することがあります。睡眠をしっかりとる、食生活を改善するなど、生活習慣を見直すことも効果的です。
3.抗アレルギー薬を内服する
くしゃみが止まらない、目がかゆい、鼻水が出る等、つらい花粉症症状にを抑える薬です。薬を飲む時期は早いほど効果的であると言われています。抗アレルギー薬によっては、眠くなったり効き目が弱かったりそれぞれ特徴がありますので、ご自身の生活に合う薬を飲むのが重要です。他に点眼薬や点鼻薬もあります。
- 舌下免疫療法について
- スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎等の治療法の一つです。
舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、治療薬を舌の下に投与する方法で、自宅で服用することができます。舌下免疫療法は、アレルギー検査の結果、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と診断された患者さんに治療を行います。
- 舌下免疫療法の治療の流れ
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- ①アレルギー検査をする
- 血液検査で花粉(シダ)アレルギーの有無を確認します。
- ②1週間後、アレルギー検査の結果説明
- 1週間後にアレルギー検査の結果を説明します。花粉(シダ)のアレルギーがあれば、その日のうちに治療を開始します。
- ③医師の前で薬を服用し30分間院内で様子を見る
- 初めての薬は、医師の前で薬を服用します。舌の下に薬を置き、1分間かけて溶かしたのち、飲み込みます。30分間院内でお待ちいただき、異常がないことを医師が確認します。
- ④1週間自宅で少量の薬を服用
- 2日目からは、自宅で服用していただきます。1週間は、シダキュア2000JAU錠を服用していただきます。2週目以降に服用する5000JAU錠に比べ、アレルゲンの成分が少量のため、1週間かけて、アレルゲンに体を慣らす意味があります。
- ⑤1週間経過後、一定量の薬に変え服用を継続します
- 1週間の間、強い副作用がでなければ、5000JAU錠に変え服用を継続します。2000JAU錠から5000JAU錠に変えた場合、まれに副作用が出ることもありますので、最低でも1週間の間は、体調の変化をしっかり見てあげてください。
- 治療のタイミングや期間
- シダキュアの服用は、スギ花粉が飛散する前の6月から12月頃までに治療を開始します。1日1回、少量の治療薬から服用を始め、その後決められた一定量を数年間継続して服用します。
初めての服用は、医療機関で医師の監督の元行いますので、服用方法の指導も同時に行います。2回目以降は自宅で服用することができます。
シダキュアによる治療は、3年以上が推奨されています。 - 服用方法
- ①服薬直前に乾いた指で、シダキュアスギ花粉舌下錠をブリスターシートから取り出してください。
②すぐに舌の下に置き、1分間保持した後に飲み込んでください。舌の下に置くとすぐに溶けてなくなりますが、シダキュアが溶け出した唾液は1分間舌の下に保持してください。飲み込んだ後5分間は、うがいや飲食をしないでください。
③小さなお子さんの場合、舌の下に1分間保持できているかを確認してください。シダキュアが1分間で溶けない場合には、溶けるまで舌下に保持してから飲み込んでください。
④服用を開始していただく初めのうちは、医療機関の空いている午前中や夕方に服用していだくことを強くおすすめします。強い副作用やアナフィラキシーを起こした場合に、すぐに受診できるようにするためです。服用前後の2時間程度は激しい運動や入浴、成人は飲酒を避ける必要があるため、生活リズムと相談しながら服用を続けていただくのがよいです。 - 期待できる効果
- 治療開始後、数カ月で効果が期待できます。年単位で治療を継続することにより、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症のつらい症状を根本から治したり、長期にわたり症状を抑える効果が期待されています。症状が完全に抑えることが出来ない場合もありますが、症状を和らげる効果があり、花粉が飛散する時期に服用するアレルギー治療薬の減量にもつながります。
シダキュアの投与を終了した後も長期にわたって症状を抑えることができます。完全に抑えられない場合でも、症状が軽快します。 くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症のつらい症状を根本から治したり、長期にわたり症状を抑える効果が期待されています。症状が完全に抑えることが出来ない場合もありますが、症状を和らげる効果があり、アレルギー治療薬の減量にもつながります。 - 治療にかかる費用
- 舌下免疫療法は健康保険の適用が認められています。加入している保険の負担割合や年齢によって費用も変わりますが、3割負担の方でクリニックと調剤薬局と合わせてひと月約2,300円~2,800円程度です。月1回の受診が必要ですので、年間30,000円前後です。
金額はあくまでも目安になります。 もちろん実際の通院回数や処置内容、抗アレルギー薬など他の投薬の有無などによって、変わりますのでご了承ください。
- 服用の注意点
- ・シダキュア服用後少なくとも30分間は、ご自身の体調に気をかけてください。特に服用開始初期は、副作用が強く出ることがありますので注意してください。
・主な副作用は、口の中の腫れ、かゆみ、不快感、異常感、唇の腫れ、喉の刺激感・痛み・腫れ、不快感、耳のかゆみなどです。まれに重大な副作用として、全身性の強いアレルギー反応(ショック、アナフィラキシーなど)が発現することあります。
・血行が促進するとシダキュアの体内への吸収が増し、副作用が起こりやすくなります。服用前後の2時間程度は激しい運動や入浴、成人は飲酒を避けてください。シダキュアの服用は、家族の居る場所や日中が推奨されます。特に小さなお子さんは、保護者の管理下で服用してください。
・シダキュアを誤って多く服用してしまった場合には、直ちに吐き出してうがいをしてください。舌の下に1分間保持せず飲み込んでしまった場合には、その日は再度服用しないでください。服用し忘れてその日のうちに気がついた場合には、その日の分を服用してください。服用したかどうか分からない場合には、その日は服用しないでください。
・錠剤のまま飲み込まないでください。
・気管支喘息や風邪などで体調がよくない場合、口の中に傷がある場合、抜歯時には、シダキュアの服用について医師の判断を仰いでください。
・アレルギー性鼻炎の症状がある場合には、抗ヒスタミン薬(内服,点眼)、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧ステロイド薬などを使用して構いません。