「血糖値ってなに?」
糖尿病がなぜ起こるか、どういう病気か、ご存知ですか?
糖尿病には、血糖値が深く関係しています。血糖値について分かりやすく説明します。
- ①私たちが毎日食べている食事には、糖がたっぷり含まれています
- 私たちが毎日食べている食事には、糖がたくさん含まれています。特に炭水化物には、糖分が多く含まれています。
- ②糖が血管内に入ると誰でも血糖値が上がります
- 食事によって体内に吸収された糖は、小腸から血液の中に入り、血糖値を上げます。誰でも、食事をすると一時的に血糖値は高くなります。
- ③すい臓からインスリンが分泌され、糖を細胞へ渡しエネルギーに変換します
- すい臓から分泌されるインスリンの作用により、血管内の糖が細胞に取り込まれ、血管内の糖が減り、血糖値が下がります。血管の中に糖分が入ると、すい臓からインスリンが分泌されます。インスリンは糖分を細胞へ渡す役割をします。細胞は糖分を取り込んでエネルギーに変換します。
- ④血管内から糖が減るので、血糖値が下がります
血管内の糖が減ると、血糖値が下がります。これが正常の方の場合の血糖値です。
血糖値が下がらない=「糖尿病」です
血糖値は、食後上がり、インスリンの作用でその後下がります。大切なのはインスリンです。インスリンは、血糖値を下げてくれます。
しかし、中には、血糖値が高いままの方がいます。これを糖尿病といいます。
糖尿病の原因は大きく分けて2つあります。
①インスリンが足りない
インスリン分泌障がいと言われ、インスリンが少ないため、細胞が糖を取り込むことができません。日本人は、欧米人と比べ、インスリンの分泌量が少ない人が多いので、もともと糖尿病になりやすいと言われています。
ストレスや、加齢、遺伝の影響もあります。
②インスリンが効かない
インスリン抵抗性亢進と言われ、インスリンは分泌されているが、インスリンが効きにくくなっているため、細胞が糖を取り込みにくくなっています。糖を取り込むためには、大量のインスリンが必要です。
初期は自覚症状がないので気を付けて!
血糖値が高くても、初期のころは自覚症状がないため、糖尿病に気が付かなかったり、気が付いていても、つい治療をおろそかにしてしまう方も少なくありません。しかし、糖尿病は進行すると深刻な合併症を引き起こすことがあります。
早いうちから、自分の血糖値を知り、コントロールすることが大切です。
健康診断を受けましょう!
自分の血糖値を知るためにも、定期的に健康診断を受けましょう。健康診断の結果も、取っておくと、経年変化を見ることが出来て、とても効果的です。
- 糖尿病になるとどうなるの?
- 糖尿病の合併症って?
- 糖尿病で忘れてはいけないのは、合併症です。
- 初期の糖尿病の症状は?
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初期の糖尿病は、自覚症状がほとんどありません。あったとしても、非常にゆっくり現れるため、気が付かなかったり、重要視せずつい治療をやめてしまったり、生活習慣をおろそかにしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、そのまま放置してしてしまうと、多くの場合、合併症などを引き起こしてしまいます。次のような症状が現れたら、糖尿病はかなり進行していると考えてよいです。医療機関へ受診し、治療を開始しましょう。1.手足のしびれ
2.頻尿・多尿・多汗・喉が渇く
3.性機能の問題(ED)
4.疲労感・目がかすむ
- 糖尿病の検査は?
- 糖尿病の検査はは次のような値を調べます。
次のいずれかに当てはまる方は、「糖尿病型」と判定します。後日、もう一度検査をして、ふたたび血糖値に異常があって糖尿病型と診断された場合、「糖尿病」と確定診断します。
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
- 食事や運動などの影響を受けない過去1~2ヵ月の血糖の平均値。10時間以上絶食した状態で計測することもあります。
正常値 5.9%以下 糖尿病予備軍 6.0%~6.4% 糖尿病型 6.5%~ - 随時血糖値
- 食事と採血時間との時間関係を問わないで測定した血糖値です。
正常値 80mg/dl~139mg/dl 糖尿病予備軍 140mg/dl~199mg/dl 糖尿病型 200mg/dl~ - 空腹時血糖値
- 10時間以上絶食した状態で計測。食事前、血糖値がもっとも低くなっている状態の値を判定。
正常値 80mg/dl~99mg/dl 糖尿病予備軍 100mg/dl~125mg/dl 糖尿病型 126mg/dl~ - 75gOGTT(75gブドウ糖負荷試験)
- ブドウ糖75gを水に溶かしたものを飲み、30分後、1時間後、2時間後に計測。食後のインスリンの効き方を判定する。
正常値 80mg/dl~139mg/dl 糖尿病予備軍 140mg/dl~199mg/dl 糖尿病型 200mg/dl~
- 糖尿病の原因は?
- 糖尿病は、大きく分けて次の2タイプに分けられます。
・運動不足
・家族に糖尿病の方がいる(遺伝)
・食生活が乱れている(太りすぎの方は要注意)
- 1型糖尿病
- 1型糖尿病の方は、すい臓がインスリンをほとんど(又は全く)作ることができません。よって、定期的にインスリンを注射しなければなりません。若い方にも多いですが、年齢に関係なく発症します。
原因はよくわかっていませんが、何らかの原因ですい臓の機能が破壊されることで起こります。
症状は、疲れやすい、頻尿、のどが渇く、急激に喉が渇くなどが挙げられます。 - 2型糖尿病
- 2型糖尿病の方は、すい臓から分泌されるインスリンの量が少ないか、又は量は分泌されていても、うまく作用しないため血糖値が下がりません。糖尿病の患者さんのほとんどがこちらのタイプです。