新型コロナウイルスの対応が落ち着いて・・

新年のご挨拶

 本当に久しぶりのブログです。

 2024年4月から、コロナ治療薬の公費負担もなくなり、コロナ対応が本当に終わったのだと実感しています。

 今も、コロナにかかられる患者さんは一定数いらっしゃいますが、どの方も重症化する方は少なく、ほとんどが自宅で療養されています。今は濃厚接触者という定義もないので、インフルエンザなどの感染症同様、家族にコロナに感染した方がいても、症状のない家族の方は学校や職場などに行くことができます。

 コロナが落ち着いて、クリニックとしてどう変わったかと言うと、まず混雑度です。第3派、第4派、、と第〇派と報道されるたびに、発熱の患者さんの数が増え、そんな頃は発熱外来の待ち時間は1時間以上となる日がほとんどでした。電話も鳴りやまず、スタッフに聞くと、電話を切るときは、通話が終わっても、通話状態のままにして一通りの対応をしてから電話を切るようにしていたそうです。そうしないと、電話を切るとまたすぐに電話がかかってきてしまうからです。当時はマスクや手袋、消毒用のアルコールも市場からなくなり、マスクは毎日かなりの量を使うので、洗濯したものを使っていたこともありました。患者さんからマスクの差し入れをいただいたこともあり、非常に感謝したことを記憶しています。
 
 患者さんの切迫度も変わたように思います。以前は、家族にコロナにかかった方がいるかどうかで、家族がどうなるか、仕事や学校に行けるのか行けないのかが決まるので、皆さんコロナかどうかの検査を希望される方がほとんどでした。コロナにかかり、卒業式に出られなかったという方もいました。しかし今は、検査も公費負担ではなくなり自己負担もあるため、検査を希望されない方もいらっしゃいます。コロナ治療薬はありますが、公費負担がないと非常に高額なので、希望されない方もいます。私たち医療従事者も、当時は重症化する方を目の当たりにしていたので患者さんの検体をとるのもかなり神経を使いましたが、今はインフルエンザ等と同じ感染対策をして行っています。今では、「熱があるが家族にコロナにかかった人がいる」とマスクせずに受診される方もいて(その場合は受付でマスクをお渡ししています)日本中でマスクをする方が溢れていた当時から考えると、患者さんの感覚も変わってきたのかなと痛感しています。

 コロナワクチン接種についても同様です。接種が始まった当時は、コロナにかかり重症化する方を目の当たりにしていたので、とにかく基礎疾患のある方や高齢者に早く打ってほしいと考えていました。そのため、火曜日と金曜日はコロナワクチン接種の時間帯を設け、かつ土曜日にも接種日を設け、スタッフは残業してもらい、1日に200人接種した日もありました。
 接種する人数も多かったのですが、何より難しかったのは、人数の管理です。1バイアル6人接種できる大変貴重なワクチンだったため、予約数を必ず6の倍数にしたり、廃棄しないようにキャンセルが出たらキャンセル待ちの方へ電話をしたり院内に掲示したり・・予約を忘れて来院されない方には電話をし、接種券を忘れた方には接種できない旨を説明したり、、本当にスタッフのみんなが頑張ってくれました。結果、当時の廃棄数は奇跡の「ゼロ」でしたが、その分負担もとても大きかったと思います。接種に関しては、接種後一時的に気分が悪くなる方もみえましたが、当院では大きな問題なく接種が終わったことは一安心でした。
 実は、当時のコロナワクチンの予約の電話や問い合わせは本当にすごかったですが、皆さんちゃんと順番待ちをしてくれ、その点では日本は素晴らしいなと実感しました。
 今は、当時の混雑が噓のように、接種予約数もほんのわずかとなり、2024年3月末で公費でのコロナワクチン接種もいったん終わりました。

 開院してからすぐにコロナが流行り始めたので、実は通常のクリニックの姿というものを知りません。世界が混乱したコロナウイルスに我々も混乱し、国から言われた、出来る限りのやれることをやり、通常の診察もすすめる。コロナウイルスが発生してから4年ほど経ちましたが、最初は、「コロナが怖い」「忙しい」と、当時の医療従事者はみんなそう思っていたのではないでしょうか。未知のウイルスなので当然です。さらに、急性期のコロナ病床のある医療機関に勤める方はさらにものすごいストレスにさらされていたことでしょう。 私でさえ、当時は家族と話すときもマスクをし、旅行もせず、家と職場だけの生活をしていました。当時娘は保育園に通っていましたが、体調を崩すたびに、妻は「主人とはマスクをして会っている」と言い訳していたと聞きました。それを思うと、今は、友人と会い、旅行もし、趣味の水泳を始め、家族と普通に生活できる。それが何よりほっとできる瞬間です。

 コロナの対応に一区切りがつき、これからは地域医療に尽力すべく、身が引き締まる思いです。



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2024年04月26日