小児科医としての決意

小児科医としての決意

 生まれ育った星崎での開業を決心した際、私にはどのような役割が地域に期待されているか考え、子供を診るスキルは必須だと思い至りました。

 私は研修医時代、救命センターで数多くの小児救急患者を診察しました。救命センターでは「緊急疾患を見逃さないこと」が最も重要な任務であり、その方法については十分に叩き込まれます。しかし、拾い上げた緊急疾患がその後どのような経過をたどるのか、一般小児外来ではどのような診察がなされているのか、慢性疾患はどのようにフォローアップするのか、といった知識は不十分だと自覚していました。

 開院地に近い大同病院は、名古屋南部の小児医療の中心であり、14名もの小児科医が常駐し、救急外来を受診する小児患者数は日本でも有数です。また、新生児の医療から地域に根差した在宅医療まで幅広い診療を行っており、呼吸器内科医であった私の耳にも大同病院の名声は入っていました。私は、小児科を勉強し直すなら、是非大同病院で働きたいと考え、勇気を振り絞って飛び込みました。

 大同病院小児科では、一般小児外来、慢性期外来、入院管理、救急外来、当直、NICU(新生児の診療)、乳児健診、在宅診療、予防接種外来など、小児科医として働かせていただきました。小児科医としては新人と同じです。呼吸器内科以外の科の勉強をこれほどみっちりと勉強するのは研修医以来だったので、肉体的にも精神的にも大変でしたが、存分に勉強させていただくことができました。私を快く受け入れてくださった大同病院のスタッフの方々には感謝の気持ちしかありません。

 また、小児科は呼吸器感染症や気管支喘息が非常に多く、私がもともと専門としていた呼吸器内科の知識を活かすことも出来ました。特に気管支喘息については、診断されていない方や、治療を中断して咳や喘鳴(ぜんめい。ゼーゼー)に苦しんでいる方が数多くいらっしゃるように感じます。呼吸器内科と小児科を両方学んだ私の使命として、特に気管支喘息の治療を積極的に行っていきたいと考えています。

 子供は「ただのかぜ」でも、簡単に脱水症状になったり呼吸状態が悪くなったりし、入院を必要とすることが多いです。かくむクリニックだけでできることには限りがありますので、大同病院を始め、総合病院と密接な連携をとり、切れ目のない治療を行えるよう、努めてまいります。


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2019年02月19日