新型コロナウイルスの感染者数も減り、第1波も収束したかのように連日報道されています。保健所で延期されていた乳児の「3,4ヶ月健診」も6月から再開されるそうです。
当院では、感染の不安から保健所の「3,4ヶ月健診」を控えている方には、無料で健診を受けていただいています。「3,4ヶ月健診」にクーポンはありませんので、保健所の健診が再開されたら、保健所でも受けていただくことができます。
保健所の健診は、医師だけではなく行政の職員や保健師、管理栄養士など様々な職種の方がお子さんの状態を見ることになるので、受けることは非常に重要です。新型コロナウイルスの影響が収まったら、是非受けていただきたいです。しかし、このような状況ですので、健診が再開されても保健所へ行くのをためらう方はいらっしゃると思います。
私は、保健所での健診へ行かない場合は、一度医師のチェックを受けられることをおすすめします。3ヶ月という早い時期に健診を受ける目的としては、身長と体重などの成長の確認以外にも、脳性まひや先天性股関節脱臼、斜頚や先天性心疾患など疾病の早期発見も含まれます。医師の健診だけでも受けていただければ、疾病の早期治療につながります。また、保健所も個別相談は受けていらっしゃると思いますので、心配なことがあれば、一度電話で問い合わせしてみるのもいいと思います。
同じことが、予防接種にもいえます。通常は、生後2ヶ月からワクチン接種が開始されますが、新型コロナウイルスの影響でワクチンデビューの開始を遅らせる方や、定期の予防接種を延期する方もいらっしゃいます。実際、2ヶ月のワクチンデビューと、1歳のワクチンの接種再開の時期のワクチンの接種率が低下してるというデータも届いています。(NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会より)
しかし、国は、現在、新型コロナウイルスの影響による定期ワクチンの助成期間の延長は行っておりません。つまり、予防接種を延期した結果、助成を受けて接種できる期間が過ぎてしまい、全額自費で接種することになる場合もあります。そうなると、経済的な理由から接種を諦める方もいるかもしれません。予防接種の種類によっては、次のワクチンが1月後の場合もありますので、複数接種する予定の方は注意が必要です。
ワクチンデビューの遅れは、細菌性髄膜炎などの感染リスクにつながります。感染の不安もあると思いますが、どの医療機関でも、小児の予防接種は出来る限りの感染対策をして臨んでいるはずです。予防接種で予防できる病気は、早めに接種していただき、予防していただきたいと思います。
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